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2000年5月17日(水)
海外出張のため成田空港に向かう。新白河駅から乗車できる新幹線
では間に合わないので、5:28発の在来線を乗り継いで那須塩原駅
から始発の新幹線に乗らねばならない。寝坊したら取り返しがつかな
いので、目覚ましを2個セットした。日々の通勤では、終電の時間さ
え気にしていれば済むのだが、出張時は、何時まで東京にたどり着け
るかがポイントとなる。間に合わないようであれば、前泊もやむを得
ない。出張から帰ってきた時も、東京に戻る時間が遅いと自宅まで帰
りつけないことになる。 |
5月30日(火)
新幹線通勤の話題になると、大半の方にとっては全く縁が無い特別
なケースなので、その実態を知らない方が多い。福島県から通えるの
? 真っ暗な時間に家を出るの? 定期代はいくら? 体が大変だよ
ね? などと言われることもしばしば。「7時に家を出れば、8時30
分には会社に着くよ」と言うと驚く方が多い。「なんだ、俺より遅く
家を出ているじゃないか……」と愚痴られてしまうこともある。 |
6月2日(金)
白河に住んでいると言っても、平日の大半は東京で過ごしているわ けで、地元の情報に疎くなりがちである。家に帰ると、光化学スモッ グ警報が発令された話で大騒ぎだった。一瞬、我が耳を疑った。白河 は自然がいっぱいで、空気が美味しく、星空もきれいだと自慢してい たのに、なんと光化学スモッグとは。地元の方も、こんなことは前例 が無いと言っていた。後日、新聞の解説で知ったのだが、原因物質は 白河には無く、遠く首都圏方面から風に乗ってやってきたらしい。首 都圏の影響がここまで及ぶのかと驚くとともに、この一件は、首都圏 ではある意味慣れっこになっていて驚かないのかもしれないが、白河 に住んでいるからこそ問題として認識できたのではないかと感じた。 白河、東京を行き来している私は、ともすれば、どっちについても中 途半端になりかねない。自分の存在場所は、視点は、どこにあるのか と考えさせられた一日だった。 |
6月3日(土)
白河に越してから、家内はガーデニング(そんなお洒落なものでは
ないのだが)にはまっている。ご近所さんからよく野菜のお裾分けを
いただくのだが、我が家の庭の大半の草花も、種や苗をいただいて増
えていったものである。 |
6月9日(金)
飲み会があり終電で帰る。金曜日とあって、ホームに並ぶ人も多い。
始発の東京駅でなければ座れないだろう。今日は空調の効きが悪く蒸
し蒸しする。車内で寝ることなど滅多に無いのだが、酔った体に新幹
線の適度な揺れが加わり、いつしか眠りに落ちていた。はっとして目
覚めると宇都宮駅。多くの乗客が降りたため、空いた3列シートへと
横になり、完全熟睡状態に陥る親父達が続出。どこまで行くのかなと
少し気にしつつ、新白河駅で降り家路を急いだ。仮に寝過ごしたとし
ても、明日はお休みなのだから、やっちまったかと頭を掻きながら軽
く受け流せるようでなければ、新幹線通勤は続けられない。これは、
新幹線通勤者としての私の流儀である。 |